台湾を初めて訪れる旅人の玄関口であり、世界中から観光客が集まるランドマーク「台北101」。2025年、展望台チケット売場がある5階フロアに、台湾文化ブランドのセレクトショップ「Parade Taiwan」が誕生しました。お土産、ファッション、フレグランス、そしてアート&クリエイティブイベント「草率季(Grasstraw Festival)」など、多彩な分野が一堂に会し、台湾の多元的な文化の魅力を発信します。ここに来れば、台湾最前線の創造力と文化体験を一度に楽しめます。
Parade Taiwanは、未来感を基調としたビジュアルデザインが特徴。メインビジュアルは、POM(Project On Museum)の代表でありアートディレクターの彭冠傑氏が手がけました。立体的な人型をモチーフに、1人でも堂々と立ち、並べば腕を組んで前へ進む「チーム」を象徴。これは台湾文化の多様性と前進力を表現し、唯一無二の文化的な道を切り開くという想いが込められています。
ショップ空間の設計は、共序工事(Üroborus Studiolab)が担当。メタリックな什器を基本ユニットとし、自由に形を変えられる構造で、さまざまな台湾のスタイルやテイストを詰め込むことができます。
Parade Taiwanは、ひとつの多面体のような存在でもあります。「台湾」というチームの中には、伝統を大切にしながらも現代的なデザイン力を持つローカルブランドが集結し、台湾文化の多様な側面を映し出しています。
手土産カテゴリには、タロイモパイの元祖「阿聰師(アツォンシー)」、大渓名物の豆干をアレンジしたパイ菓子「由里糕點(ユーリー・パティスリー)」、琥珀のようなからすみを生み出した「魚香涎(ユーシャンシェン)」などの老舗ブランドが揃い、台湾の食文化や庶民の日常を再解釈。一方、「勇氣雜貨商行(ユウキ雑貨店)」は、レトロなお菓子や雑貨を現代風にアレンジした可愛らしい招き猫とともに、懐かしくも新しい台湾を提案しています。
味覚の次は、台湾の「香り」が登場。台湾初のティーフレグランスブランド「P.seven」は、お茶文化を香水として表現。「Blueseeds 芙彤園」は自然農法による原料を使用し、台湾の大地から生まれた100%ナチュラルなエッセンスを届けます。そして、薬剤師の専門性を活かした「decent rossi」は、敏感肌にやさしいウォーターレス処方のシャンプーパウダーで、植物の癒しを日常のケアに取り入れます。
そしてParade Taiwanの核のひとつが「ファッション」。台湾発のサステナブル・ライフスタイルセレクトショップ「SCLOUD」のキュレーションにより、台北・ロンドン・ニューヨーク・ベルリン・パリなど、世界のファッションウィークで注目されたブランドが集結。たとえば、oqLiq、DYCTEAM®、CHIA、Yentity、Story Wear、甫月fuyue、WANGLILING、SHAO YEN、Tomorgenne、B18など、新鋭デザイナーによる台湾ファッションの実力と、クラシックの融合が体現されています。
Parade Taiwanでは、セレクトブランドに加え、台湾のインディペンデントなアートブックフェア「草率季(Taipei Art Book Fair)」とタッグを組み、台湾文化のポテンシャルをより深く伝えています。このコラボレーションによって誕生したのが、草率季による実験的トラベラーズセンター「NMHW(No More High Words)」。
情報が溢れる現代において、「NMHW」は過剰な表現=“High Words”を手放し、もっと直感的なアートとの対話を提案する場。アーティストと共に行う創作・編集プロジェクトとして始動しました。
このNMHWは、本屋、ギャラリー、B級観光案内所、アートなお土産ショップなど、自由に形を変える可変空間であり、台湾のアートエネルギーが絶え間なく湧き出るハブとなります。2週間ごとに展示が入れ替わり、毎回3名の台湾アーティストが参加。初回展には、ストリートグラフィティアーティスト「大腸王」、ケーキをテーマにしたフード×複合メディアアーティスト「福糕 FU CAKE」の郭于寧、そして切り絵的なビジュアルアートを手がける「呉睿哲」が登場。訪れるたびに、台湾アートの豊かな生命力を体感できます。
Parade Taiwanは3月22日にグランドオープン。セレクトショップでありながら、それ以上に、旅人が台湾のカルチャーの奥深さと多様性を体験できる文化のショーケースなのです。